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仏壇とは・・・
日本に仏教が伝来し、白鳳時代(645年~710年)に天武天皇が盛んに奨励する中で、貴族が競って持仏堂を建てるようになりました。

この仏堂が仏壇の原型と言われ、それが家の中に入って、現在の仏壇の歴史を作ってきました。
最も古い原型は、法隆寺に現存する玉虫(たまむし)厨子(のずし)といわれ鎌倉時代から普及し始め、一般大衆に広まっていったのは、江戸時代からです。

仏壇は、自分の家の宗派の本尊とご先祖様を祀る場所ですが、大きさに係らず仏壇は、仏教で説く世界の姿を象っています。
仏壇には必ず、一段高くなった須弥壇(しゅみだん)と呼ばれる本尊を安置する壇があり、須弥壇とは、仏教世界の中心に聳え立つ須弥山(しゅみせん)をたとえたものです。
仏壇は家の中に迎えた仏堂、すなわちお寺と同じなのです。

お仏壇を一家の心の拠り所として常にきれいに正しくおまつりし、少なくとも朝夕には家族揃って御仏(みほとけ)に合掌しご挨拶する習慣を養いましょう。

1.仏壇の選び方


仏壇を選ぶ時、最初に据える場所を決めます。
その際守っておきたいいくつかのポイントがあります。

① 神棚と向かい合せないようにすること・・・ ・ 神棚と仏壇を向かいあわせに安置すると、礼拝した時にそれぞれにお尻を向けることになり、神仏に礼を失します。

② 心静かに、しかも日々容易に接することが出来る場所を選ぶ・・ ・ 仏壇は本尊を拝し、祖先の霊をまつるところですから、あまり片隅であるとか、家族の通り道になっているところは避け、日々の礼拝やお守りのし易い場所を選びましょう。 また、仏壇の上に物をのせたり、物入れのあるところは避けましょう。

③ 仏壇の向きを考え、北向きを避ける・・・
・ 仏壇の向きについては、代表的な三つの説があります。
一つは、南向北座説(なんこうほくざせつ)といい、昔、宮廷人は北に座り、従者は南に座り、相対したことで北座を尊い位置としたことと、日本の気候条件から南向きの北座は、直接日光が当たらず風通しも良く、湿気も少ないため、仏壇を南向き北座に据えるという説です。
また、この説の裏返しから、北向きは良くないとされているのです。

もう一つの説は、西方浄土説です。
こ れは仏壇を東向きに置けば、仏教が理想の世界とする西方浄土を拝むことになり、仏壇を東向きに安置するのがよいとされる説です。

最後の説は、本山中心説です。
この説は、仏壇の前で合掌する方向の延長線上にその家の宗派の本山があるように、向きを決めるという考えです。
従って宗派の本山が京都にある場合、関東に住む人と中国地方に住む人では、仏壇の向きが反対になります。

以上の諸説から総じて考えてみますと、北向きだけを避けたらよいと思われます。

④ 信頼のおける販売店で購入しましょう・・・
・ 仏壇は本体のほかにその仏壇と宗派に見合った本尊、位牌、各種仏具、等々が必要となります。
仏壇だけがいかに立派でも、適切でないまつり方をしていたのでは、何もなりません。
正しいまつり方を教えてもらえる専門店に相談し、予算に合う範囲で一式揃えるようにしましょう。

2.本尊のまつり方


仏壇は、信仰の対象としての本尊を安置するところであり、本尊のない仏壇はありません。
本尊を迎えてはじめて仏壇が、礼拝の対象となりますから、仏壇を購入した際は、必ず本尊を迎えましょう。

本尊は信仰する宗旨・宗派によって姿が異なり、材質にも掛軸・木・ブロンズ(青銅)・樹脂製と数種類あります。
お世話になったお寺に相談し、正しい本尊を迎えましょう。
仏壇に見合った適当な大きさの本尊を選ぶことも大切です。
本尊は「一体安置」が原則ですから、異なる本尊を同時に祀ることは避けましょう。

3.仏壇のつくりと様式


仏壇は宗派や地方によって形式に相違がありますが、一般的には、最上段に本尊を安置する須弥壇があり、本尊の両側には、脇(わき)持仏(じぶつ)や両大師をまつるようになっています。
その下段には先祖の位牌を置きます。
位牌もいくつかある場合は、向かって右側が上座と決められていますので、右から古い順に置きます。
ただし、浄土真宗では位牌を用いず、過去帳が法名軸でまつります。
一番手前の段を中心に各種の仏具を揃えますが、大型、中型仏壇の場合は、前に経机を置くことが多いようです。
仏壇は大きく分けて、漆塗り金仏壇・唐木仏壇の二種類に分けられます。


① 漆塗り金仏壇 ・ 関西、近畿、北陸地方に多く祀られています。
・ 桧、杉、欅、ろう木などの材質に重厚な漆と金箔で仕上げた荘重な仏壇。

② 唐木仏壇 ・ 関東、東北、九州地方に多く祀られています。 ・ 黒檀、紫檀、鉄刀木(たがやさん)、桑、けやき、桜といった銘木の木地を生かしてつくられています。 金箔などのきらびやかな装飾はあまりなく落ちついた材質を生かした美しさが特徴です。

【仏壇の手入れ方法(金仏壇)】


●金粉、金箔を使用した箇所は傷がつきやすいので、なるべく手で触れない。
掃除が必要な時は、毛払いで軽く払う程度にする。
ロウソクや線香のすすで黒ずんだ場合は、拭かずにそのままにしておく。


●漆塗り、蒔絵は、金箔同様毛払いを使用する。
拭く場合は、柔らかい布で軽く拭く程度にする。
蒔絵は、漆塗りの上に、絵が描かれているのであまり拭いたりせず、払う程度にする。
水滴が付着したら、脱脂綿で吸いとる。


●彫刻部分は、毛払いを使って掃除する。


●金具部分は、毛払いを使用する。
素手で触ると手の油分や塩分で錆がでる場合があるので注意する

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位牌は、亡くなった人そのものです。

位牌の原型は、昔、中国において亡くなった人の氏名や官位を木片に書いて神霊に供えるという儒教の教えにあると言われています。

現代では、葬儀の時に戒名を書いた白木の位牌が用意され、四十九日の中陰の期間のみ用いられます。
白木の位牌は、葬儀から四十九日の忌明けまで祭壇におまつりし、その間に漆塗りか、唐木の位牌を用意します。
四十九日法要のあと白木の位牌は、菩提寺におさめ、自宅の仏壇には、本位牌を安置します。
なお浄土真宗は、原則として位牌を用いず過去帳か法名を掛軸に表装した法名軸でおまつりします。

位牌を仏壇に安置して心から亡くなった人の冥福を祈ると共に、先祖の御恩に報いるため手厚く供養いたしましょう。
おまつりする位牌が多くなって置き場所に困るような場合は、古いご先祖様から順に回出(くりだし)位牌(いはい)か過去帳に写し替えし、解りやすく整理された方がよいでしょう。

なお、お位牌を迎えた時は、菩提寺で入魂していただき、不用になった位牌は粗末にならぬようお寺様に引取っていただきましょう。

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本来仏教に帰依し持戒を誓った者に対して仏の弟子としていただいた名前で、もともとは生前に受けるものでした。

宗派によって呼び方がまちまちで例えば、真宗では法名、日蓮宗では法号、その他の宗派では、戒名と呼んでいます。

一般の戒名、法名は本来は二字であったわけですが、道号などが加わり、現在は名づけ方、格づけが複雑な段階に分けられています。
それは宗派によっても違っていますが、戒名を表示してみますと次のように構成されています。

新帰元○○院△△□□居士霊位  ※白木のみ使用

※頭文字の「新帰元」は、死の呼称で、『もとの世界に戻る』という意味で白位牌のときだけ用います。
一般的にいって次の八段階にまとめることができます。

① ○○院△△□□居士(大姉)
② △△□□居士(大姉)
③ △△□□禅定門(禅定尼)
④ □□信士(信女)
⑤ □□童子(童女)
⑥ □□孩子(孩女)
⑦ □□嬰子(嬰女)
⑧ □□水子

お戒名(法名・法号)は、故人の人柄や社会・寺への貢献度などを考慮してつけられるものです。
また、宗旨、宗派によってもそのつけ方が違っていますから、菩提寺のご僧侶につけていただくことがふさわしいことといえましょう。

菩提寺がなく、宗派にこだわらない場合は、どこのお寺のご僧侶につけていただいてもよいでしょうが、葬儀後の納骨や埋葬、法要などをお願いする菩提寺のご僧侶にお願い致しましょう。

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ご逝去から告別式までの流れ

●ご逝去(医師による死亡診断)


予め医師から「危篤」が告げられた場合、家族、親族の方などに連絡をします。

●死亡診断書の受け取り


市町村役場へ死亡届を提出することになりますが、医師が発行する「死亡診断書」が必要になります。
なお、不慮の事故などの時には、「死体検案書」がその代わりとなります。

●ご遺体のご安置


通夜、告別式までにご遺体をご安置しますが、通常は、ご自宅で行います。
ご自宅に帰られたご遺体は、北枕か西枕にして安置し、顔を白い布で覆います。
傍らに小枕を置き、線香、ローソク、花等を供え、「枕飾り」をします。
ご遺体に魔除けの「守り刀」を置いたり、「逆さごと」として「逆さ屏風」を置くところもあります。


1. お清め(湯灌)


ご遺体の全身をアルコールやお湯で拭き清め、耳、鼻、肛門などに綿を詰めることですが、親族で行う場合と、病院で行ってくれる場合とあります。
「逆さごと」の一つとして、水にお湯を入れて調整することを「逆さ水」といいます。

2. 着替え


ご遺体に白装束か生前好んでおられた衣服を着せます。
男性は髭を剃り、女性は薄化粧をします。
和装の場合は、「左前」に着せることを「逆さごと」として行います。

3. 忌中札、神棚、仏壇封じ


ご自宅の表には「忌中」の札(紙)を掲げます。
来訪者にお知らせする意味ですが、近年は、略されるところも増えているようです。
神棚のあるお宅では、忌明けまで魔除けの意味で神棚に白い紙を貼って、神棚隠しをします。
同様に、仏壇がある場合は、仏壇を封じます。
但し、地域、宗派によっては、そうした儀式は行いません。

●通夜、葬儀、告別式


ご遺体の安置から葬儀社に依頼することが多くなっていますが、信頼のおける業者を選ぶことが大切です。
通夜、葬儀、告別式の段取りについては、葬儀社に依頼することが多いでしょう。

1. 喪主の決定


故人と最も縁が深い方として妻、夫、長男などがなることが多いようです。

2.世話役の決定


ご遺族から世話役代表を選び、それぞれの役割を決めて式が滞らないようご助力をいただきます。

3.日程、場所、予算の決定


通夜、葬儀、告別式の日程と場所を決めます。
火葬場の休日に注意して、決定します。
会葬者の対象を考慮して、規模予算を決定します。

4.祭祀法の決定


仏式では、僧侶、神式では官司、キリスト教では神父に祭祀の依頼を行います。
仏式の場合、多くはここで戒名、法名、法号をいただきます。
また、「枕飾り」の後、僧侶にご遺体の枕元であげていただくことを、「枕経」といいます。

5.お知らせ


親族を初め、故人ゆかりの関係者に会葬対象者として、通夜、告別式の案内をお知らせします。

6.納棺


通夜に先立ち、ご遺体を棺に移すことを納棺といいます。
ご遺体と一緒に送られたい品々も納めますが、燃えないものは入れられません。

7.通夜前の確認事項


①「死亡届」の申請と「火葬(埋葬)許可証」の受理
②僧侶(官司、神父)の送迎時間、人数
③式の各係員へのお願いと確認
④遠方の来訪者の為の宿泊手配

8.通夜(仏式次第例)


①弔問の受付
②ご遺族、参列者着席
③僧侶入場
④読経
⑤喪主、親族焼香
⑥参列者焼香
⑦喪主、親族代表挨拶、閉式
⑧通夜ぶるまい
⑨助力いただいた方へ喪主、御礼

9.告別式前の確認事項


①式の進行係(司会者)との式次第、打ち合わせ
②喪主、ご遺族代表の挨拶

③火葬(埋葬)許可証の確認
④弔辞を頂く方へのお願い
⑤僧侶(官司、神父)との打ち合わせ
⑥会食の確認

10.告別式(仏式次第例)


①導師(僧侶)入場
②開式の言葉
③喪主、親族の焼香
④一般参列者の焼香
⑤導師(僧侶)退場
⑥「別れ花」・・・お供の花を納棺
⑦「石打ち」・・・棺に石で釘を打つことですが、近年少なくなっています
⑧棺を霊柩車に乗せる.
⑨喪主、親族代表が参列者にお礼の挨拶
⑩火葬場へ同行する方が分散乗車
⑪出棺と見送り    

●火 葬

1.「納めの式」


棺を火葬炉に移す前に行う最後のお別れ。
僧侶が同行されている場合は、読経を勤めてもらいます。

2. 火葬


火葬の間、休憩室で待機します。

3. 拾骨(骨あげ)


二人が一組となって一緒に遺骨を拾い、骨壷に納めます。
分骨の希望があれば、予め伝えておき、分骨します。

4.「火葬許可証」の受け取り


拾骨の後、火葬済み証明印のある「火葬許可証」を受け取り、骨壷と一緒に保管します。

5.遺骨のお迎え


火葬場から帰られた遺骨を忌明け(通常は七七、四十九日が多い)まで安置するあと飾りした中陰壇を一緒に安置し、白木位牌、遺影を一緒に安置し、焼香、ローソク、供物をそなえます。

6.会食(お斎(おとき))


お葬式の後、お世話になった方への慰労と感謝を込めて、会食でもてなします。
「お斎(おとき)」は仏事法要後の会食ですが、「精進落し」として行うこともあります。

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喪(も)に服する間着用する衣服を「喪服(もふく)」といい、現在では、通夜、葬儀、納骨、一周忌など特別な日に着るだけになっています。

喪服は、黒が常識となっておりますが、もともとは、喪に服すべき人だけが着るものでした。今日では死者に対する礼儀として葬儀に参列する人はだれでも着るのが当然となっています。

正式の喪服は、和装では、男性は、祝事と同じ黒羽(は)二重(ぶたえ)五つ紋付に仙台(せんだい)平(ひら)のはかま、帯は角帯です。女性は、冬は羽二重か一越(ひとこし)ちりめん、夏は平絽(ひらろ)が多く用いられます。
帯あげ、ぞうり、バックも黒にします。洋装の場合、男性はモーニング、女性は透けたり光ったりしない生地のワンピースやスーツなどです。

靴は止め金などのない黒、アクセサリーは結婚指輪や真珠以外ははずします。男性の場合、ネクタイ、チーフ、靴下、靴、また女性の場合は靴、バックなどは黒です。ストッキングは黒でも肌色でもかまいません。
男女とも弔問客(ちょうもんきゃく)の場合は、略式程度でよいでしょう。

略式の喪服は、男性ならダークスーツ、女性なら和装は、地味な色めの無地一つ紋か三つ紋に黒の帯をしめます。洋装の場合なら、地味で清潔な平服でかまいません。アクセサリー類はとり、化粧も控えめにします。

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本来は「香奠(こうでん)」と書いていましたが、「香典(こうでん)」で通用します。死者の霊にたむける香の代金という意味です。昔は香を持参して、たいて供える仏に対する六種(ろくしゅ)供養(くよう)の一種でした。

六種供養とは、華(はな)(花)・塗(ず)香(こう)(香を供える)・焼香(しょうこう)(香をたく)・灯明(とうみょう)・水(みず)・飲食(おんじき)のことです。今日では、香をはじめとする一切を喪家側でととのえるための香の代金として、現金を包むようになったのです。

現在では、宗教と無関係に、霊前に供える現金を香典という表現を用い、不時の出費に対する、相互(そうご)扶助(ふじょ)という意味合いも強くなっています。

死去の知らせを聞いて、とりあえずの弔問の時は、喪家の側もごたごたしている場合が多いので持参しないほうがよいとおもいます。
通夜か告別式に参列する時、持参して受付でさしだすか、焼香の際に霊前に供えます。
通夜・告別式に参列できない時は、郵送するか、後日、弔問する時持参すればよいでしょう。

葬儀(仏式)
       表書き水引きのし         お返しの場合






法 要
表書き水引きのし        お返しの場合



≪香典の包み方と金額≫
香典を持参する時の表書きは、仏式では「御霊前(ごれいぜん)」「御香典(ごこうでん)」「御香料(ごこうりょう)」とします。 宗教がわからない時は「御霊前(ごれいぜん)」に。どの場合でも、さしつかえないので無難です。また表書きは薄墨を用いるのが作法となっています。

最近は、文房具店などで略式ですが、不祝儀袋を売っていて、市販品を使うことが多いようですが、正式に包む時は、お金を半紙に中包みして、表側に金額を書きます。
奉書紙(ほうしょし)を左前になるように折り、裏の折りは上を下にかぶせます。
下を上にかぶせると慶事用の折り方ですので、注意してください。

弔事金包み

たとう包み







不祝儀の場合


祝儀の場合


水引は黒と白を使い、黒が右、白が左になるように、不幸の訪れることがふたたびないように、結びきりにします。
水引より上に表書きをして、下部中央に、自分の名前を記しますが、姓だけでなく名まで、書くようにします。
もし、遺族と面識がない時は住所を書き添えたほうがよいでしょう。

連名で包む時は、表に姓名を書くのは三名までとして、それ以上の人数の時は「〇〇課一同」「〇〇会有志」などを記し、全員の名前を別紙に書いて中包みのなかに入れておきます。
連名の時は、目上の人から順に右から左に書きます。

金額については、故人との関係、親しさの度合い、住む土地のしきたり、自分の社会的地位などによって異なり一概にはいえません。

喪主との関係が、兄弟姉妹などの身内では、葬儀費を分担し合う意味でも相談しあって決めるようです。
「死」につながる四千円、四万円などは避け、お金もきれいなものを包むようにします。表書きに気をとられ、お金が入っていないことのないよう注意するようにしましょう。

葬儀(仏式)

①御霊前(ごれいぜん)


葬儀で、霊前に供える金品に使う。神式、キリスト教式でも使える。

②御香典(ごこうでん)


霊前に供える金銭の包みに使う。「御香奠」とも書く。

③御香料(ごこうりょう)


香を供える代わりにお金を供えるときに使う。

④御香華料(ごこうげりょう)


香華を供える代わりにお供えるときに使う。

⑤御仏前(ごぶつぜん)


葬儀や法要の際に供える金品に使う。

⑥御供(おそなえ)


霊前に供える品物に使う。

⑦御悔(おくやみ)


葬儀の前、お悔みに行くときに用いる。

⑧御布施(おふせ)


通夜や葬儀のとき、僧侶へのお礼の金包みに使う。

⑨御経料(おきょうりょう)


僧侶のお礼の金包みに使う。

⑩読経(どきょう)


御礼(おんれい) 読経のために、僧侶を呼んだ場合に使う。

⑪御膳料(おぜんりょう)


食事のもてなしの代わりに、僧侶へ渡すお礼金に使う。


法要

①御仏前(ごぶつぜん)


仏式の法要の際に仏前に供える金品に使う。

②御佛(ごぶつ)前(ぜん)


故人が目上の人だった場合には、一般に旧字体の「佛」が使われる。

③御供(おそなえ)


法要に品物を供える場合に使う。

④満中(まんちゅう)陰(いん)志(し)


仏式の三十五日・四十九日の法要のとき、お返しの品に使う。

⑤忌(き)明志(あけし)


仏式(三十五日・四十九日)の法要、神式(五十日祭)の忌明けの品に使う。

⑥粗(そ)供養(くよう)


法要に出席していただいた人々へのお返しの品に使う。

⑦偲(しのび)草(ぐさ)


神式の五十日祭の法要のあと、忌明けのあいさつの品物に使う。

⑧茶の子


香典返しの品に使う。仏式、神式ともに共通して使用できる。

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合掌は、仏前での最も基本的な作法です。

仏教では、左手は凡夫(ぼんぷ)の迷いの世界を表し、右手は、仏(ほとけ)に象徴される悟りの世界を表すといわれています。両手を合わせることによって、仏への帰依を念じる行為であるとされています。

合掌する時は、指をそろえて伸ばし、正しく十本の指と両手のひらを合わせましょう。礼拝は、胸の前あたりで
合掌したまま、そのままの姿勢で背筋を伸ばしたまま、頭を垂れます。

(右手)仏・悟りの世界
(左手)凡夫・迷いの世界

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布施は、インドサンスクリット語ダーナの訳で「ほどこし」という意味ですが、普通には僧侶への御礼として用いられています。
ただし、お布施はお葬式や法事の時に拝んでいてだいたことに対する報酬と考えるのでなく、ありがたい読経や引導(いんどう)をいただくお坊様への日頃の修行や人格に対して捧げるものであることと理解いたしましょう。

お布施は、特に金額に制限はありませんが、その寺の檀家の一員として身分相応にすることが本来です。

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1)故人の会社関係の遺品整理をします。


①会社関係の書類やバッジ、カギ、社会保険証、厚生年金手帳、身分証明証などを持参し、会社へお返ししましょう。
②会社にある故人の持ち物は、勤務先の方にチェックしていただいてから持ち帰りましょう。

2)各種手続きの確認も行ないましょう。


①給与・退職金・社内貯金・持株・団体生命保険の有無を確認します。
②社会保険の埋葬料・厚生年金の遺族年金請求する手続きを会社に依頼します。
③年末調整のために、保険料控除や医療費控除の資料を届けましょう。
④所得税の還付がある場合のために、受取人の振り込み口座を知らせておきましょう。

3)不要になったもの


①故人が愛用していた物とか趣味の品物などは、形見分けしてもよいでしょう。
②不用になったものは、以前は家族の手で焼却されていましたが、現在は分別してゴミとして処理するしかないですが、その前に、線香を上げて家族で心を込めてご供養しましょう。

4)大型ゴミはまとめて処理しましょう。


ふとん、タンス、ベッドなどの大型不用品は、大型ゴミの日に出すか、直接公営のゴミ処理場へ持ち込むか、又は専門業者に依頼して処理してもらいます。但し、公営のゴミ処理場へ持ち込むときは、事前に電話で場所、持ち込み時間、料金などをたずねておきましょう。所によっては、申請手続きが必要な場合もありますのでご注意ください。

5)故人の住所録やメモ帳は残しておきましょう。


葬儀後の案内を出すために、故人の住所録や手紙は、しばらくの間保存しておくとよいでしょう。日記、メモ帳にも大事な事柄が書かれている場合がありますので1年間くらいは残しておきましょう。

6)帳簿などの記録書類は、7年間保管します。


①亡くなられた方が事業を営んでいた場合、遺族の方が収支決算を行ない、確定申告をします。
②税務関係の書類や帳簿、領収証などは、しっかり整理して保管し、いつ必要になってもよいように、必ず7年間は保存しておきます。

8)領収証も整理し、保管しておきます。


各種の支払い領収証は、契約の更新や税金の控えとして必要になるときがありますから保管しておきましょう。


種類保存期間
商業帳簿商法規定により10年
青色申告関係帳簿
国税・地方税
医療費
水道料金
地代・家賃
月賦代金税務調査上7年
賃金台帳
建築工事費3年
電気・ガス料金
授業料・けいこ事の月謝
商品代金商品代金請求の時効により2年
貨物運賃
動産損料
大工、職人の手間賃
宿泊料・飲食代商品代金請求の時効により1年
NHK受信料次の集金日まで
国民年金年金がおりるまで
生命保険契約期間満了まで

9)故人を偲ぶことも供養のひとつです。


故人の写真を掲げたり、法要を行なったり、また思い出の品物を使用することで故人を偲ぶ機会をもつことは、故人との接点を現世に残し、故人の分身を日常の生活に生かす供養となります。

10)親しい人に形見分けをします。


①故人の愛用品で、まだ使えるものは、その品物を使ってくれる親近者の方に形見分けとしてお渡しします。形見分けは、ごく親しい人に限ります。目上の方には、先方から特に希望がない限り、かえって失礼になりますのでご注意ください。

②形見分けに時期は、特別な決まりはありません。タイミングとしては、忌明けに合わせて行なうとよいでしょう。

11)形見分けの品には、包装しません。


形見を分けるのは身内で取り行ないますから、包装や水引などは必要ありません。そのまま贈るのは失礼かと思われる場合は、白紙(奉書紙)などに包む程度にします。

12)形見の品をひと工夫しましょう。


故人の着物や帯を利用して、バッグとか和袋小物入れなどを作るのもアイデアです。例えば、帯などから仏事に欠かせない「数珠入れ」などを作って、形見分けにすれば、故人の供養としても最適です。

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1)以下の場合は名義変更をします。


①電気、ガス、水道、電気、住居などが故人の名義になっている場合。
②預貯金、有価証券などの動産の名義が故人のものとなっている場合。
③故人名義の不動産を相続する場合。
④事業を継承するにあたり、代表者となったり、許認可を受ける場合。

2)名義変更に伴って、次の書類が必要です。


①遺産分割協議書、又は相続人全員の同意書。
②印鑑証明書、戸籍謄本、除籍謄本。

3)手続きにかかる税金や手数料があります。


①不動産の所有権移転登録は、不動産評価額の0.6%の登録免許税がつきます。
②株式の名義書き換えの手数料は、各会社によって異なります。
③自動車移転登録は、デーラーに依頼すると数万円の費用がかかりますが、陸運事務所の手数料そのものは小額です。

4)わからない時は、専門家に相談します。


①遺産の相続とか名義変更の手続きは複雑でわかりにくく、トラブルも多くなります。法律の知識が必要なときは、公共の相談機関とか弁護士など、専門家に依頼しましょう。
②不動産関係の手続きは、司法書士にお願いします。

5)司法書士は、各種手続きの代行者です。


①相続に関する代行業務は――――
遺言状の検認申立・相続放棄の申述・限定承認の申述・遺言執行者の専任申立・
特別代理人の選任・遺産分割調定(審判)の申立。
②不動産登記に関する代行業務は――――
遺産分割協議書の作成・所有権、その他の権利の相続登記。
③会社・法人登記に関する代行業務は――――
株式の相続や役員の変更登記。
④その他、戸籍関係の書類の取り寄せ、又は届け出。

6)税理士は、税務手続きの代行者です。


①死亡時財産の評価、確定を行なってくれます。
②遺産が分割された後、各相続人の相続税を割り出してくれます。
③準確定申告や相続税の申告手続きを代行してくれます。
④相続税の延納、又は物納の手続きを代行してくれます。
⑤課税財産と非課税財産の区分けを教えてくれます。
⑥申告に伴う保険料や医療費について、いろいろなアドバイスもしてくれます。

7)経済的価値があると認められるものはすべて相続財産となります。


相続財産となるものは、現金・預貯金・株式などの有価証券、宝石・貴金属、土地・建物、家財道具、営業権(のれん)、借地権など、有形・無形を問わず経済的に価値があるものは、すべて相続財産の対象となります。

8)故人の借金も相続財産になります。


①故人の全財産を受け継ぐことが相続ですから、借金の債務のすべても相続財産に含まれますので、心得ておきましょう。故人の未払の借
金、住宅ローン、税金、各種の代金などは、相続人が支払います。
②財産より借金が多い場合、法律によって「限定承諾」「相続放棄」が認められます。
③死亡した日から3ヵ月以内に家庭裁判所で手続きをしないと、相続人がすべて承認したものとして、借金も含めた全財産を相続することになります。

9)遺言は尊重しましょう。


①故人の遺言書がある場合は、その遺言の意思に従います。
②遺言書の開封は、公証人が作成した「公正証書遺言」以外は、家庭裁判所へ持参し、相続人が立ち会って行なわれます。

10)2人以上相続人がいる場合は、まず話し合いからはじめましょう。


①遺言が特別になければ相続人同士で協議します。相続案を作り、各人の承認を得ながら協議をする場合もあります。
②了解を得られない人が一人でもいると、協議は成立しません。その場合は、家庭裁判所へ調停審判を申し立てるようにします。

11)相続人が未成年者の場合は、代理人を立てます。


①法定相続に従って相続する場合は、代理人はいりません。しかし、協議によって相続する場合は、未成年者の相続人には、代理人を立てる必要があります。
②特別代理人は、家庭裁判所に選任していただきます。

12)遺産分割協議書には、相続人全員の承認が必要です。


①相続人同志で話しがまとまれば、「遺産分割協議書」を作成し、相続する方全員が署名押印をします。
②「遺産分割協議書」の作成は、公的資格のある司法書士の方にお願いします。

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1 厚生年金に加入されていた場合

亡くなられた方の年金は、扶養家族に「遺族厚生年金」として支払われます。
その際手続きには、亡くなられた方の保険証書、又は厚生年金手帳、印鑑、戸籍謄本、死亡診断書が必要ですので、ご用意されてください。

1)亡くなられた方が勤務中だった場合


勤務先の方(総務担当者)にお願いして社会保険事務所へ手続きを代行していただきます。

2)亡くなられた方が退職していた場合


社会保険事務所(所轄の)に行って、定められた手続きをとります。
支払い請求は、勤続中、退職後をとわず加入者の死亡から5年以内の期限中に行ってください。

2 国民年金に加入されていた場合


亡くなられた方が国民年金の加入者だった場合は、「遺族基礎年金」「寡婦年金」「死亡一時金」のいずれかが支給されますので、遺族の方はこのうちのいずれか1つを選び、役所の国民年金課で手続きをとってください。

1)遺族基礎年金とは


亡くなられた方の扶養家族に支払われる定額の年金です。支払われる基準となるのは、亡くなられた方が年金を25年以上納めていたこと、又は国民年金に加入中で納付期間の2/3以上年金を納めている場合です。

2)寡婦年金とは


婚姻の期間が10年以上の妻に対して5年間支払われる定額の年金です。
但し、老齢基礎年金を受ける資格を満たしていた夫が、年金受給前に亡くなった場合に限られます。

3)死亡一時金とは


亡くなられた方が、国民年金に3年以上加入していた場合、保険料を納めた年数に応じて遺族に支給される年金です。

注1・「遺族基礎年金」を受ける資格があると、「死亡一時金」は支給されません。
注2・「寡婦年金」を受ける資格があると「死亡一時金」又は「寡婦年金」の一方を選ぶことになります。
注3・「死亡一時金」をうけると「寡婦年金」は支給されず、「寡婦年金」を受けると「死亡一時金」の支給はありません。
注4・上記3種類いずれの場合も、支払い請求期限は、加入者の死亡から2年以内です。手続きに必要なものは、亡くなられた方の国民年金手帳、印鑑、住民票(世帯全員)、戸籍謄本です。

3 共済年金加入されていた場合


亡くなられた方が、公務員、教員などの共済年金に加入されていたときは、「遺族共済
金」が遺族に支払われます。

1)支払い請求手続きは、故人の所属先で。


手続きは、亡くなられた方の勤務先などに依頼します。共済年金制度は、厚生年金制度準じた内容のものですが、運営される組織によって内容が異なることがありますので、詳しくは、加入先にお尋ねください。

※年金の支払い手続きについては、その種類とか加入期限、遺族の年金や収入、扶養家族の人数などにより、手続きの仕方や支給額が異なりますので、前もって加入先にお問い合わせいただいた方が無難かと思います。

4 生命保険に加入されていた場合


生命保険には、各生命保険会社の「生命保険」をはじめ、郵便局の「簡易保険」、勤務先で加入している「団体生命保険」、会社経営者や幹部のための「経営者保険」などがあります。
亡くなられた方がこれらの保険に加入されていないか、証書とか領収書などを調べ、各保険金の手続きを行いましょう。

1)支払い請求の手続きは、2ヶ月以内に。


生命保険に加入していた場合は、2ヶ月以内に生命保険会社へ連絡します。
生命保険会社へは、被保険者氏名、死因、死亡月日を知らせます。
すると生命保険会社から「死亡保険金請求書」が送られてきますから、各事項に記入し、必要な書類を添えて提出してください。

尚、手続き上必要な書類は、保険証書、又は保険の領収書(最終分)、死亡診断書、保険受取人の印鑑と印鑑証明、保険受取人の戸籍抄本、被保険者の除籍抄本です。

2)住宅ローンの生命保険払いの確認を。


住宅ローンは、生命保険付きのものが一般的になってきておりますが、例えば、ローンを借りていた方が死亡されたとき、その生命保険で残りの借り入れ金が支払われることになります。

手続きの方法は、借入先の金融機関へご相談ください。又、住宅ローンでも、住宅金融公庫借入金に生命保険が付いている場合もありますから、充分に確かめてから手続きをしてください。

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1)まず、故人の確定申告を行います。


①法定相続人が、亡くなられた方の所得税の確定申告をします。これを「準確定申告」といいます。もし、法定相続人が2人以上の場合は、ひとつの書類で一緒に申告するか、又は別々に申告してもかまいません。

②法定相続人が決まっていない場合は、相続人となる人の中から代表者を決めて申告を行なってください。

③故人が勤めていた会社で、給与から源泉徴収している場合は、会社で行なってもらえますので、勤務先にお問い合わせください。

2)申告は、死亡日から4ヵ月以内に済ませます。


①確定申告は、故人が死亡された年の1月1日から死亡日までの所得税について行ないます。

②もし、前年分の申告をしないまま死亡された時は、前年の確定申告も相続人の義務です。

3)税務署に持って行く、書類の確認をしましょう。


①故人が事業主の場合、死亡した日までの決算書と所得の内訳書を提出します。

②源泉徴収票、生命保険や損害保険の領収証、医療費の領収証などを持参します。

③印鑑と、申告者であることを確認できるもの(免許証など)、持って行きます。

4)医療費は、10万円以上から控除されます。


①年間の医療費が、10万円又は所得の5%以上のときは、医療費の控除が受けられます。

②故人の医療費と故人の扶養家族の医療費で、死亡日までに支払った分は、故人の確定申告から控除されます。

③故人の死亡後に支払った医療費は、相続税から控除されます。

④医療費の控除には、領収証が必要です。領収証のかわりに支払いを証明できるもの(家計簿など)でも認められる場合があります。

⑤通院にかかった交通費も適正と認められるものは、控除の対象になります。

5)保険の支払い請求は後日でもできます。


もし遠隔地にあって、保険証を持たずに医者にかかり、費用の全額を自己負担した場合は、その支払いを証明する領収証を持参し、手続きをすれば、保険から規定の割合で医療費が支払われます。

請求手続きのしかたは、所轄の国民健康保険課、又は勤務先を通して社会保険事務所におたずねください。

6)自己負担の医療費が高額なときは補助されます。


①国民健康保険では、1ヵ月の自己負担医療費が、60,000円(住民税非課税の場合は30,000円)を超えた場合は、高額医療費として超過分が保険から支給されます。

また、同一世帯で高額医療費に該当する月が何回もある時は、1年間に4回目から。月に30,000円(住民税非課税の場合は21,000円)を超えた額が支給さらます。

ただし、他の市町村の国民健康保険に加入中の分は回数に含まれません。

②社会保険では、1ヵ月の自己負担医療費が60,000円(低額所得者は、33,600円)を超えた場合は、高額医療として超過分が保険から支給されます。

③複数の医療機関にかかり、積算すると補てん基準を超えていることがありますから、注意して手続きしましょう。

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